Kとガハクのアトリエ日記
2019年3月16日土曜日
赤い地層
水で研ぎ始めたら、石の表面に黒ずんだ模様が浮き上がって来たので焦った。これは25年放置していた間に染み込んだストーブの油煙か?それとも露結した水滴に付着した有機物?どっちにしてもこの垢は削り落とさねば!と、昨日と今日はずっとひたすら200番の砥石でゴシゴシゴシゴシ、、、永遠に続くかと思われる作業を続けていた。
途中で雨が降った。トタン屋根に当たる音が優しかった。ひんやりして来たらストーブに薪を足す。お腹が減ったらサンドイッチを頬張る。ストーブにかけたヤカンの湯で紅茶を淹れたりもした。
その甲斐あって、やっと花びらがくっきりとピンク色に光り始めた。石の中に挟み込まれていた赤い地層の薄皮が花びらの真ん中にちょうど入った。垢と赤と赫。どれも模様には違いないが、人為的なもの偶発的なもの必然的なものの境界ははっきりしている。 (K)
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