山道に鳥の羽が落ちていた。数枚が根元で小さな肉片でつながっている。模様と大きさ形からしてヤマドリか。小動物に襲われたか猛禽類か…。争ったような痕跡もなく他に羽が落ちてもいない。拾って家に持って帰った。
小鳥を一度だけ獲ったトワンを叱ったことがある。鳥の小さな足に紐のようなものがついていて上手く立てないらしく涸れ沢でバタバタしていた。それをめざとく見つけ、バッと噛み付いたから瞬間的に動かなくなった。鳥の死骸を見て悲しくなり思わず頭をひっぱたいてしまった。死骸は道の脇に埋めた。
毎日風呂場でトワンの足を洗うとき時々嫌がる彼にいつも言って聞かせる。
「パパがいつ君に悪いことをした?一度もないでしょう、だからこれも意地悪や罰なんかじゃない、我慢してれば気持ちよくなるんだよ」と。半分?は嘘なのだが彼は疑わなかったと思う。
トワンの思い出話。(画)
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