袴の線、帯の線、指の線、尾羽の線、あらゆる線がこの子の背後で重なり交差している。そういう景色を薄肉彫りでやっている。虹のように見えて来たり、川の流れのようであったりもするけれど、何かになりそうになるとすぐに引き返してきっちり刻むようにしている。その方が嘘が混じらずに美しいところに行けるようだ。必然的なものは待つしかない。新しい形が現れるまで、彫って、削って、探るのだ。
中村哲医師が土地の人たちと作った緑の園がとても美しいのに驚いた。水が子供を守る、水が人の健康を作る、だから水を引こうというところまで辿り着いたのだそうだ。
「私が死ななければあなたたちのところに来ることが出来ない」という意味が分かった。水を引け!(K)