『Mの家族』の中でいちばん独立心の強そうな女の人の服が、いつの間にか描き変えられていた。咄嗟に頭に浮かんだのが、『邪馬台国』。あの頃の人だったら、きっとこんな風にキリッとしていたはずだ。今よりずっとチャーミングで、憂いのない意志的な顔をしていただろう。嘘のない顔、外と内が一致した人の立ち姿は美しい。
昨日久しぶりに山の上の小さな神社まで登った。社の中は落ち葉がいっぱい吹き込んでいて、埃もいっぱい溜まっていた。お祓いの榊の小枝でガハクが掃除を始めた。私も裏に回って、柱に絡んだり床を這っている蔦を引っ張った。スルスルと簡単に抜けた。
自然は人間が関わって初めて動き出すというのは本当だ。誰にも見られないで触れる人がいなければ、自然はいつまでも粗野で乱暴なままだ。あっ、人もそうかな?(K)