2021年8月13日金曜日

還って来た人

「いっしょに登ろうか」とガハクに誘われて二人で山散歩に出かけた。雨はずっと同じ調子で降り続いている。ときどき蝉が目の前をぴゅーんと横切る。枝っきれを振り回しながら歩いているのは、蜘蛛の巣を払っているのだ。

ペダルを漕ぐのに比べたら、全然楽だ。ハアハアするくらいに早足にしてみたが、やっぱり自転車の方がキツいな。三日前にガハクは、この山道を林道の入り口からてっぺんまで、一度も足を付かずに登り切ったそうだ。凄い体力だ。

去年の今頃にガハクは病院通いから解放され『終診』となった。今は体重61kg。筋肉に包まれた脚や腕は丸くて逞しい。もう角材のように四角い骨が浮き立っていた形はどこにもない。

山道を降りながら、今日宅配でガハク号のサドルが届くのを思い出した途端、家に向かって駆け出した。還って来た人の足は軽やかだ♪(K)







2021年8月11日水曜日

コロナ

金魚の尾っぽみたいになったり、フクロウの背中のように膨らんだりしたけれど、だんだん太陽の炎に見えて来た。これも酷暑のおかげだ。やってみるもんだね。想っているものに必ず到達する。

漕ぎ始めたオールから手を離しちゃダメだ。踏み始めたペダルから足を外しちゃおしまいだ。休んでは漕ぎ、また回す。労働の報いは、賞賛でも銭でもなかった。いつも見てくれている人の目がすぐ傍にあるということが力を湧き起こさせる。

存在とは何か?死は虚無とはなんの関係もなかった。意識が何と繋がっているかだけだ。コロナが激しく燃えている。(K)


 

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