2019年12月11日水曜日

独創

背景の色を変え人物の位置と顔を決めようとしている。思えばこの人たち、描き出した頃に比べて寸法がずっと小さくなっている。何度も描き直していくと小さく締まって来るというのはよくあることだが、これは度が過ぎる。まあそれでもその方がいい、むしろ適性な大きさに近づいているのだ。
ジャコメッティがある日突然粘土で作る人物像が制作しているうちに小さく小さくなり、終いにはヘラの一突きで壊れて消えてしまうという話は有名だ。同じように絵でも何度も何度も描き直し遂に画面上には何もなくなってしまったというのも。
そういう人がいてくれたおかげで形式からの自由と孤立を恐れない勇気を貰えたのはおそらく僕だけではあるまい。それが独創に繋がらないとしても。(画)


よく見られている記事