2019年3月11日月曜日

思想の色

芭蕉「奥の細道」。こいつはドキュメンタリー風なものじゃなかったんだね。旅の中で実際にあった事柄や時間の推移を、時に無視したり並べ替えたりしながら、徹底的に芭蕉独自の幻想空間を作り出しているという事に初めて気づいた。それが俳諧という独特の感受性によって色付けされている。
作品を包む決定的な色、作者の思想を表す色は時代の趣味やお仕着せや借り物ではなく、独創的なものでなければ真の作品とは言えない。(画)

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