2020年8月2日日曜日

ガハクUFOに遭遇

ガハクは高校生の頃、一人で南アルプスの末端の尾根を登ったことがある。正月の寒い時期だけれど、静岡側から取り付く尾根には雪は無かった。ところが途中で道に迷って、深い谷に降りてしまった。
「山で迷ったら、高い所へ上がれというのは本当だね。早く里に降りようとして谷に入って、川伝いに下って行くと、必ず滝があるんだ。絶壁だからどうしようもない。また登り返して遠巻きして下っても、再び滝が出て来る」もう暗くなったから尾根でビバークしたそうだ。寝袋に入って頭だけ出して、、、
すると、夜中に山の向こうがパーッと明るくなった。光が少し弱くなって、またパーッと空が照らされるのをじっと見ていたそうな。まるで車のヘッドライトがカーブを曲がる度に辺りが照射されるような風だった。でも、山の上にはハイウェイも道路もない、そこは高山だから。
次の朝、尾根を高い方へ向かって歩き出した。やがて元の道に戻れたので、無事下山。
家族はさぞ心配しただろうが、父親がガハクのことを信頼していて、騒がず、まあその通りになった訳だ。

白い人といい、UFOの照射といい、見てしまう人はいる。運命とはそのようなもので、真実を知ってしまった人、遭遇した人は引き受けるしかない。森の中を流れる水も 梅雨明けと共に透き通って来た。ゴム長の周りをさらさらと洗ってゆく。(K)




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