「蝉にピントを合わせようと思うからいけないんだな。後ピンになっちゃった。腕に合わせりゃよかったんだ」と今頃言っている。それに「最初は真ん中にいたのに、カメラを向けたらだんだん後退りするもんだから、腕を回して撮ったんだよ。写すのが難しかった」などと、蝉との散歩はずいぶん楽しそうだ。
「今日は足の裏が痛くならなかった。山を降りる頃になると、いつも痛くなっていたんだよ」やっと浮腫みの影響が消えて来た。親指の付け根辺りに小石を踏ん付けているような違和感と痛みがずっとあったらしい。足を内側荷重にして工夫して歩いていたそうだ。歩き方の癖も直って来た。
自由っていいもんだ。ガハクの体から木のような生気が発散している。(K)