今夜はマグロの刺身を山芋の上に載せて食べた。退院した日と同じメニューだ。こんなに野趣があって麗しい食べ物って他にあるかしら?ガハクと食べていると、すいすいとお腹に滑り込んでいく。ステロイドは食欲を増進させる効果があるそうだ。今日初めて知った。「子供だと、お皿を舐めちゃうくらいなのですよ」と先生が言っていた。
今日の診察:数値はすべて良好で順調だった。肺は立派に膨らんでいた。先生も嬉しいのか、話をポンポン進めて、これから完治までのスケジュールを具体的に決定してくださった。1週間ごとにステロイドを一錠ずつ減らして行くと、3週間後の四月十日に完治宣言の『0錠』となる。もう病院に通わなくていいってことだ♪
帰りにホームセンターに寄って、いろんなものを買った。壁にかける大きな時計、夜に足元を照らすセンサー付きライト、傘(退院の日が雨と雪だったのだけれど、まともな傘がうちには一本もないことが発覚!)、消毒用アルコールとポンプ式ボトル、などなど。
今夜は二人の意識の不明瞭さについて議論した。透明性。曖昧なままでいると必ずぐちゃぐちゃにじみあってまた元のところに戻ってしまう。そこを明確に分けた。大事なことはふたりがいつも話し合っているこの生活だ。美味しいものがほんとうに美味しくなったのはこの意識のせいだ。ステロイドのせいだけじゃない。(K)
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