2021年4月25日日曜日

真のプロレタリアアート

 山に金魚の水を汲みに行くのが日課になった。空の18ℓポリタンとホースを一輪車に載せて踏切を渡り、山裾にある蛇口に繋いで満タンにしたら戻って来る。5分もかからない超イージーな労働だ。

灯油用のポンプを使うと、水底の金魚のフンもいっしょに排水できる。⅓くらい捨てて、今汲んで来たばかりの水を注ぐ。水温は同じくらいだし、山から湧き出た自然水だ。スイスイ泳ぎまわって、流れ込む水を体に絡ませて喜んでいる。労働の対価は、金魚の姿と揺れる水面。

ガハクの絵がグイグイ渦を巻き始めた。激しい色の動きに驚いて眺めていたら、
「どうだい!プロレタリアアート」と言う。夜の部を終えて、スクワットをしている最中だった。(K)



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