トワンの様子が変わった。ギロッと何かを睨み付けている。闘争心で背中の毛が波打っている。こういう風に描かれたのは初めてだ。
霊的な領域に住んでいるからって、ぼんやりした姿で現れるとは限らない。存在は意識によるし、そこから出ているスフィアに包まれて他より輝いて見えることだってあるんだ。
『森の生活』を書いたソーローも同じようなことに気が付いていた。保線作業の為に線路を歩いて行く男たちを遠くから眺めていると、アイルランドの出身の人たちだけが明るく光って見えたと記述している。(何でアイルランド人と分かるのかは書いてないが、おそらく服装とか姿に特徴があるのだろう)彼らの中にある何かを察知していたようだ。信仰心の根っこみたいなものか。
トワンが今年うちにやって来るというガハクの予言は、絵の中では実現し始めた。あんなに寂しがって、山の中の茂みから飛び出して来るのを期待しながら歩いていたガハクが、こんなトワンを描くなんて、、、ちょっと今夜は驚いた。何かが動き出した。(K)