順調に回復して来たガハクだが、今朝は深く息もできないほど背中が痛いと、胸を押さえながら起きて来た。昨夜調子に乗って腕立て伏せを15回もやったのがいけなかった。肩甲骨の周りを指圧したりマッサージしたり、、、やっと少し楽になったところで朝食。
鎮痛剤が効いて来たので、山に一緒に竹を取りに出かけた。胡瓜とトマトの支柱にするためだ。
ガハクは毎日山に出かけているが、私は冬の薪拾い以来だ。久しぶりに登る林道はブルドーザーで均されていて歩きやすかった。ガハクの足取りは軽くて速い。胸と背中の筋肉をほぐす為にはもっとゆっくり歩いた方がいいよ。そう、いっしょに話をしながら歩くと楽しいじゃん♪
竹が林道のずっと奥に勝手に生い茂っている。 種が飛んで来たんだな。そのうち道を塞ぐほど増えるぞ。ゴリゴリゴリ、、、チョンチョンチョキン、、、ガハクの鋸、私の剪定鋏が白い人の谷に響き渡った。
「これから30年経ってさ、何事もなかったねってことになるよ。あんなに心配していたけど、楽しくやって来れたねって。2回倒れてもさ」とガハクは未来を予見する。
え、2回も!ま、何度でも戦いましょう。
午後も一人でまた山散歩に出かけたそうだ。山の中には前には見えなかった美しい色や空気や味わいや匂いがいっぱいあるのだそうだ。ガハクが描いている白い馬の胸が優しく強いように、夕食の時には腹式呼吸でなら深く息ができるようになっていた。鍛えることと回復することが凌ぎを削りながら互いを支え励まし合って前進している。動かないものは固くなって生きているようですでに死んでいる。(K)
よく見られている記事
-
久しぶりにガハクが書いている。 新しい年。2022年の今日はもう3日の月曜日。 2020年の冬に僕が重症肺炎で入院してから二人で交代で書いていたものをKだけが記述していた。 去年の30日の午後、いつも二人で行く裏山の頂点に立った時、彼女がうづくまり動けなくなった。僕一人ではとう...
-
ガハクが72日ぶりに筆を取った。どの絵から始めるのだろうと見に行ったら、倒れる直前まで描いていた『Mの家族』だった。しかも踏み台に乗って高いところを描いていた。 また絵が描ける日が来るなんて、しかも今日は日曜日だ、朝の明るい光線の中で描いている 、、、ジーンとする想いに浸...
-
手の指のひとつひとつを磨いては彫り直し、彫り直してはまた磨いて、少しずつ温かな手にしようとしている。この手がうまく彫れたら、顔も同じように優しい形を与えられそうな気がして来た。 今日ガハクは、担当医とその上の大先生と専門医との3人に面談したそうだ。右肺に開いた穴は、ステロイ...
-
今日の午後久しぶりに絵を描いた。 何かをそこに発見して修正したり付け加えたりするという作業。どの絵をその時描くか、直感に従って絵を選ぶ。正面に置いた絵を描きながら、ふと横にある作品に手を加えることもある。 それがボクのいつもの描き方なのだが、今日は闇雲にどうにでもなれとばかり手...
-
スコットのダンスを見ていたら右腕にポツンと水滴が落ちた。あゝこれはよく何もないのにチクっとしたりする例の神経の突発的反射作用だろうと思いながらも当たった所を見た。実際に濡れて光っていた。左手の指で触わると確かに液体の感触が。雨漏り?思わず天井を見上げた。 白い人を見てからもう...