夢の中で、トワンがたくさんの子犬たちを引き連れてやって来た。キッチンのドアを開けたらクンクン鼻を鳴らしてまわりに寄って来る。少し輪郭がぼんやりとしているこの犬たちは霊なのだと分かったけれど、それでも嬉しかった。とうとう現れてくれたのねという想いだ。そっと触ってみたら、ちゃんと柔らかな毛並みを感じた。持ち上げてみたら重さもあった。これからはこうやっていつも傍にいてくれるんだなと想った途端目が覚めて、今のは夢だと知ったわけだけど、別にどっちも同じだ。起きてコーヒーを淹れてゆで卵を作るところだけが現実世界。
トワンに呼びかける時の気持ちが変わったよとガハクに告げたら、「トワンの死をやっと受け入れたんでしょう」と言われた。あゝだから出て来てくれたんだな。
今夜はトワンの耳を彫った後、ガハクの顔に砥石をかけて髪をオールバックにした。(K)
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