2019年9月9日月曜日

耳を寄せ合う

四方の音を聞いている雄と雌の2匹の犬。これを彫り始めた時の気持ちを今でもよく覚えている。苦しかったから月を見上げている犬を彫ることにしたのだった。ガハクと二人で教えるようになってコンビも安定して来て子供の親達からも信頼されるようになったのに、借りている会場のオーナーから迫害されるようになった。今思えば、子を持つ親が齢を取った時に発生するお世継ぎ問題なんだ。どこにでもある出来の悪い子でも特技が無くても、だからこそアートなら誰でもやれると思うのだろう。ノウハウと生徒を同時に譲渡するように迫られた。
上手く行き始めると面白くなくなる人がいる。そんなに上手くやっている訳じゃない。だからもう終わりにした。耳をもっと薄く、穴が開いても、耳が欠けてもいいじゃない。どんどん深く強く彫っていこうよ。そう誓い合う2匹である。(K)


よく見られている記事