2019年6月20日木曜日

人間天使

人間天使という存在のことをスエデンボルグが書いている。思うに、それはトワンのようなものだろう。何もしてはくれないけれど彼がいることで皆が楽しくなる。誰もが知っているけれど権威も力もないものだ。誰もが愛しているけれどその見返りを求めていない。そういう人になれたらなあと、トワンが死んでから思うようになった。

今日は公会堂の掃除だったのだけれど、ガハクの油絵を入れる額縁の製材をしていたので少し遅刻してしまった。バケツに雑巾と窓拭き用のスポンジモップを持って駆け足で入って行くと、声がかかった。
「あゝよかった、来てくれて」って。そんなこと言われたの初めてだったので内心ドギマギしたけど、また別の人から同じことを言われた。 空気が穏やかで柔らかくなって生きやすくなった。

『月下の森』というタイトルにしよう。女の顔を600番の砥石で磨いたら、すーっと静まって落ち着いた表情になった。ガハクに「アルカイックみたいだ」と言われたのが、とても嬉しい。(K)


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