一年半前スタッドレスタイヤを新しくしたのに、それからぜんぜん雪が降らなくて。あんなに慌てて買うことはなかったなあと思っていたのだが、ついに今日雪が降った。満開の桃の花にも、トワンの石の上にも白い綿帽子が載っている。
アトリエに着いて、すぐに畑のネットの雪下ろしを始めた。積雪わずか5センチだけど、ネットの弛みに集まった雪の塊はずっしりと重い。中に入って両手で押しのけようとしても動かない。雨合羽のフードを被った頭でぐんと下から押し上げておいて手の甲でゴンゴン叩いたら、網目を通ってバラバラと落ちて来た。最後に残った雪を畑の外にポ〜ンと払い除けて終了。
昨日今日と鹿のまわりを研いだ。くっきりと線が浮かび上がって綺麗だ。レリーフの仕上げの仕方も誰に習ったわけじゃない。線の美しさはウィリアムブレイクから。形の美しさは空の雲から。この鹿の歩みは毎日少しづづ進む彫刻のようだ。ゆっくりと静かに前に向かって振り向きもせず。(K)
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