2019年4月10日水曜日

カワガラス

今日山道でカワガラスに遭った。眼下の沢にその黒い姿を見つけた。村内を流れるここよりずっと大きな川では何度も見たことはあるのだが、こんなに水流の少ないほとんど涸沢としか言えないような谷に生息しているのを発見できたのは嬉しかった。飛び石伝いに跳ねまわり何かをついばんでいる。そして絶えず鳴いている。可愛い声で鳴いている。嬉しくなった。
あなたは鳥の声を理解したいと思いますかと、ピカソは絵の意味を尋ねられてそう答えたそうだ。芸術の意味を鳥の声に喩えたのだ。
一度も鳥が歌うように描けたことはないと言った古い友人がいた。自分にもそんな風に描いたことが一度でもあったかと問えば答えは同じかもしれない。あのマチスでさえいつも苦労すると言ったのだ。だからピカソだって怪しいものだ。鳥が歌うように絵を描く画家…。
人知れず流れの中を鳴きながら動き回り餌をついばみ又鳴く、カワガラスの小さな姿はとても愛らしかった。(画)


よく見られている記事