2019年1月7日月曜日

ケルビムの眼差し

渦巻く気流が後ろに回り込むように、
激流が穏やかな流れに変わるように、
水中の月が優しい光を放つようにと彫っている。

光が無ければぼんやりとした凹凸に過ぎない大理石レリーフに、こんなに沢山のことを彫り込んで喜んでいる。ずっと前にガハクに言われたことを思い出す。「もっと絵を描きなさいよ。絵を描けない彫刻家なんてダメだと思うよ」じっさいに描けない人が多いのだ。描くということは喜びを持って描けるということだ。美しいものに触れずにじっと見つめる集中した注意力を愛と呼ぼう。

今は毎晩石に絵を描いている。(K)


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