朝から冷たい雨が降っていた。雨の日も散歩に出るようになったガハクは、林道の入り口に置いてある木刀代わりの枝は持たずに、傘をさして登っていく。
なんで毎日登るのかと言うと、大股で歩くとか、急ぎ足で歩くとか、いろんな工夫をしているうちにだんだん体力が付いて来て面白くなったからだ。それに加えて、動物たちが残した痕跡を読み取れるようになったことも大きい。
鹿の溜め糞も見つけた。それをフンコロガシが2匹で協力して運んでいるのも観察したガハク、「なだらかな場所まで運んだら、あとは任せたよという風に1匹は他の方に向かう。仕事の段取りを考えているみたいだ」という。フンで穴を塞いでいるようだが、何のためにやっているのか、ほんとに必要な仕事なのか、それにしてもあまりにも勤勉過ぎる。次の日には鹿のフンがすっかり無くなっているそうだ。
好きでやっていることが活動なんだな。モチベーションこそ生命力だ。(K)