2020年10月6日火曜日

水辺に佇むトワン

 10時になってガハクが二階から下りて来た。もう夜の部終了だ。朝早く起きるには、夕飯を早く食べることだと分かった。お腹が減るから自然と起きちゃうのだ。明るい昼間に活動していると、いろんなことが起きる。小鳥の声が1日の始まりで、虫の声で今日が終わる。Tシャツから出ている腕が日に焼けている。この夏は昼間に自転車で行き来しているから、やっぱりいつもより日焼けしたのだ。でっかい白菜が育っているのも、よく世話をしているからだな。

大きな画面のあっちこっちを行き来しながら今日もガハクは忙しかったようだ。どこが変わったのだろうと夜の画室に入ってじっと見つめていると、森の中の草がざわざわと動き出しているのが見えて来た。トワンはそのままだ。いつもの位置でずっと佇んでいるけれど、周りの草も木もどんどんおしゃべりになっている。水が動き出した。黒い淵に魚影が見える。あれは蛇のようだけど、藤蔦だ。ぐるぐる巻き付いて木を苦しめるけれど、春には薄紫の花で山を香らせる。何が何のためにあるのやら、ただじっと見つめているトワンがいちばん愛おしい。(K)



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