2020年10月17日土曜日

ガハクの目

ガハクの目は今までで一番澄んでいる。なんとかそういう目を彫刻に表現したいと、目ばかりをここ数日いじっている。瞼の影と眼球の光がきれいなハーモニーを作り出せば、明るく澄んだ眼差しが出て来るはずだ。彫っている途中で、ギロッと睨んだような目になる時がある。でもそこで怯んじゃダメなんだ。そういう時ほど、ほんの少し先に綺麗な形が待っている。砥石を当てたら、視線が和らいだ。

今日ガハクは古い絵を幾つか引っ張り出して、また描き始めたそうな。「けっこういい絵があったぞ」と喜んでいる。以前は一つの方向へ向かって修練させねばならないと思っていたけれど、今はいろんなことを絵の中でやってみたいと思うようになったそうだ。9割の致死率から生還した人はやっぱり面白いことを言うし、何をやっても楽しそうだ。(K) 



 

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