2020年10月15日木曜日

絵が動く時

ウィリアム・ブレイク の『ヨブ記』は22枚の銅版画で構成されているが、その最後の刷りには楽器を手に持って弾いている人たちが描かれている。それまでは楽器は大きな木の幹にぶら下げられて、単なる飾りに過ぎないものとして忘れられたように背景になっていたのだった。破滅と絶望と落胆の嵐が過ぎて、人も小鳥も歌い始めたという絵だ。

今日はガハクは、ずっと描きかけのまま放っておいた小さな絵に久しぶりに筆を入れた。緑の女が動き出した。" Alfonsina y el mar " の楽譜が広げたままになっている。ガハクが昼間弾いたようだ。動き出すキッカケは、あたたかく明るい光が差し込んで来たからだった。(K)



よく見られている記事