二階の画室を覗いたら、昨日引っ張り出した古い絵のひとつに加筆している最中だった。こういう絵も描いていたのか、、、すっかり忘れていた。すぐにブロッケン山を思い出した。
この絵のタイトルは何?と聞いたら、「赤い花」だと言う。続けて、「ここにいる二人は地獄の花を見せてもらっているんだよ」と、馬の背を指差す。ぼんやりと白く見える姿は、まだ子供のようだ。
デジカメのレンズを向けて、写してもいいかと尋ねたら、ぜんぜん構わないと言う。ガハクは他人に見せる為に描いていないから、こういう途中の状態でも気にしないのだろう。どっちかと言うと、放って置かれたい人なのだ。自意識から解放された芸術家は自由で強い。悪霊が寄り付かない。(K)