2020年10月21日水曜日

妻の肖像

『どこまでも行こう 道は険しくとも 口笛を吹きながら 歩いて行こう』という歌のことを思い出して、私たちもこれで行こうということになった。そして「いつか大陸に行ってみたいな」とガハクが言い出した。この国ではどこまでもという訳にはいかないんじゃないかと、狭過ぎるんじゃないかと言うのだ。目的地を決めない終わりのない旅とは、永遠のことだろう。

アガノ村の小さな谷で絵を描いているガハクは、自在に時間や空間を遡ったり移動したりしている。私から話を聞いただけなのに、子供の頃のお洒落な髪留めまで描いている。母の友人がアメリカで買って来たものだ。クリーム色と空色の二つ。蝶々の形をしていたというところまでは話していなかったな。

これから妻の肖像をどんどん描いて行くそうだ。(K)



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