今夜は肉ジャガにした。食べた後に体重計に乗ったガハクが、「わっ!」と叫んだ。なんと、59.5kgもある。結婚して以来こんな数字は見たことがなかったので、近寄って自分の目で確かめた。秤が壊れていないか私も乗ってみたが、本当だった。
人工呼吸器と薬の注入で助けられたガハクが、今は日々の食べ物と運動でじりじりと力を付けている。腰の周りをパンパン叩いて見せながら、「ほら、こんなにガッチリして来たよ」と嬉しそうだ。贅肉ではない、確かに筋肉だ。
生きて行く為の戦略に大事なものが抜けていたのを知った。今それを実行している。ガハクの生還が、ゼロからの出発を教えてくれた。
胸と顔に#600の砥石をかけている。キズがあれば、また元に戻って研ぎ直しては、また進む。瞼のような繊細な場所は、砥石を荒砥で尖らせてから使う。ガハク像も逞しくなって来た。(K)
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