2020年9月15日火曜日

オリーブ畑のような

ときどき雲間から薄日がさす爽やかな朝だった。玄関を開けたらサワガニが1匹待っていた。指で突いても動かないので死んでいるのかと思ったら、朝陽を浴びてぼんやりしていただけだった。慌てる様子もなく、ゆっくりと地面に降りて歩き出した。

山の中は、今日も小鳥の群れで賑やかだったそうだ。頭の上を行き交う鳥たちの声に包まれて歩いていると、蝉の声が聞こえない。夏が終わったことを知る。

ゴロゴロと石だらけだった鉱山跡が、今はこんなに緑に覆われている。ここはオリーブ畑のあるあの丘だと言われたら、あゝそうだと思うだろう。光の具合がいいのは、梢が優しいからだ。善き意思あるところに流入ありだ。(K)


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