2020年5月9日土曜日

白い馬

ガハクがついに蹲踞の姿勢から立ち上がることが出来るようになった。自分の体を持ち上げるだけのことが、こんなにも難しいことだとは思いもよらなかった。歩くとか、階段を上ることよりも。

昨日は何度も試みては、「まだダメだ、出来ないよ」と、少し寂しそうな顔になったのだけれど、相撲の四股を踏むあの姿勢と型を再現しようとしたら、驚くべきことにぐっと力が入って立ち上がれたんだ。腰に手を当てて、相手を睨み付け、ぐっと顔を前に突き出すと、腰が少し浮く。その時、膝が90度の角度に広がるのがポイントだった。一挙に立ち上がろうとするリフトアップより、二つの動作で立ち上がると膝に負担がかからない。90度スクワットの延長なんだな。

意志が熱意を生み、熱意は工夫と忍耐を呼び込み、忍耐が知恵を付ける。知恵が精細な観察と行為を繰り返す楽しみとなり、今夜ついに白い馬が現れた!陽に照らされて白は金色に輝く。跨っているこの人は、あの白い人だろう。(K)


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