夕食は7時。8時にはガハクは画室に上がって行く。大きな絵の前にいろんな高さの椅子や箱や踏み台が置いてあったけれど、今夜はすっかり片付けられていた。悲壮感はなかった。爽やかなスフィアだ。
確かにスポットライトで照らすと手元が明るくなって、やる気が出るんだ。私も照明はいろいろ工夫している。気分というのをうまく使えるようになると、楽しい。
ゴールデンウィークに入っても静かだ。小鳥の声がよく響いて、朝早くから夕方まで山の緑と風と小鳥を眺めて過ごしている。こんな山奥の人たちでさえ皆マスクをはめて歩いているから、皆真面目だなあと思う。この統制の取れ方は、他への配慮と自己規制で出来ている。これが良い方に動くこともあるけれど、悪い方に向いてしまうと鬱陶しくて冷たい。
Twitterをやっていると、「どう?今日の『みんな』は」とガハクが後ろから声をかける。ガハクが最近発見した新しい生物の名だ。うん、あまり元気がないねと答えた。(K)