2020年3月29日日曜日

季節外れの雪

アトリエの土間のあちこちに小さな穴が出来ていた。トタン屋根の釘穴から染み込んで来る雨漏りだった。雪混じりの雨のせいだ。泥跳ねしないように雑巾を置いて回った。

気温4度。ストーブを燃し始めたら煙が逆流。ダンパーや煙突の隙間に粘土を詰め込んで対処したが、なかなか完全には塞げない。ついこの間掃除したばかりなのに、変だなあと思いつつ、このストーブもあちこち錆び付いて穴も開いているし、あゝすべてが古くなって朽ち果てて行く、、、などと嘆きに捕まりそうになるのをぐっとこらえて、石を彫った。

部屋の中に煙が篭って来たら、ドアを開けて外の空気を入れる。石を磨いていると、だんだん気持ちが落ち着いてくる。雨だと畑仕事もできないから気晴らしも出来ず、こういう時は彫刻だけが救いなのだ。

夜になってふと思いついた。煙突の先端にも雪が積もっていたのではないか? 煙の逆流はきっとそのせいだ。明日煙突掃除をして、アルミ箔で穴を塞いでやれば、また快適に燃えるだろう。一つ一つ工夫をして解決して来た。これからもそうやって知恵を付けて行く。それが勇気と呼ばれたり、愉快という名が付けられたりする生活だ。(K)


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