飛んでいる時の小鳥の脚は羽毛に包まれてはっきり見えないけれど、大きな鳥だとよく分かる。自転車で川沿いの道を走っていると、慌てて飛び立つアオサギがゆっくり飛翔する姿は優雅だ。長い脚を上手に折りたたんでだんだん遠ざかっていく。あんなに大きくて美しい鳥が人間のすぐそばに生きていて、よく平気でいられるなあと思う。それほど人は残忍だ。利己的だ。差別的だ。でもときどき驚くほど善良な人が現れることがある。あれは運命を引き受けたからなんだろうか。使命を帯びた人の激しく厳しい活動を見ると感動する。名もない人にもきっといるはずだ。見えないところで誠実に生きている人は静かに無駄なく確実に歩を進めているはずだ。
今日のガハクは今までで一番元気なのに、今までで一番弱気だった。「ずっといて」と言われたら、帰ろうにも帰れない。 リハビリまで見学して、髭も剃ってあげて、歯磨きを自分でやるように促して眺めていた。ずっと車に置きっぱなしだった入院用品をやっと看護師に預けることもできた。だって、昨日まではそんな日常ができるなんてレベルじゃなかったんだもの。室内用の履物を用意するように言われたので、帰り道にドラッグストアで買った。ウェットティシュも箱入りで使い易いのを買った。なんか、甘えん坊のガハクである。
思い切って天使の足を後ろに引かせて、飛翔しているように彫り直した。細くなって、鳥らしくなった。ガハクの脚もほっそりと鳥のようだ。これからだんだんガハクは太く強くなる。わたしには見えるんだ未来が♪(K)
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