今朝は8時にアトリエに着いた。こんなに早くから石を彫るなんて、10年ぶりくらいか。ガハクが死にそうになったことが気持ちに変化をもたらした。四面楚歌の孤独な仕事場でこのすっきりとした気分。自分でも驚いている。学生の頃は毎朝誰よりもいちばん早く彫り始めていたのに、だんだん気持ちまでもが追い詰められて、梟みたいになっていたんだな。
今日のガハクはげんなりした顔をしていた。焦る気持ちもあるのだろう。ちっとも良くならないと不満そうだった。それでも両手は口元まで上がるようになったし、自分で椅子に座ることも出来たという。ケーキとジェルの飲み物を摂ったそうだ。でも「ぜんぜん美味しくない。バナナかパンの方がよっぽど美味い」とのこと。リハビリで肩を痛めて湿布してもらったというから、ガハクだけじゃない、周りも本気だ。呼吸が安定して来てよく喋る。話せるようになると、医療スタッフの態度も変わって来るのだそうな。「物のように雑に扱われていたのに、今はみんな優しくて親切だよ。だからいっぱい話すようにしている。反応が面白いから」ってさ♪
天使の脚を思い切り削って風に乗せた。飛翔!(K)
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