2018年12月28日金曜日

失われたもう一人の自分

溶け合うようにくっ付いていたピアノとピアニストの間の空間を広げた。

思い出すのは、ブランクーシの接吻という男女が抱き合っている姿をシンボリックに彫った石像と、音楽を奏でることは情事であると言ったグレングールドの言葉。

プラトンのいう高次元の愛のイメージとは、もう一つの失われた自分と合一することを目指しているのだそうな。やっぱりそうか、そうであるなら嬉しい。

終わることのない競争と殺戮と支配欲の世界のどこに美があるだろう?完全なものになりたいという夢を持ち続けている。そこからしか生きる意欲は湧いてこない。  (K)


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