二人で向き合ってパンをかじっていると、ガハクが唐突に「こうやっていると、死んでいるのか生きているのか分からなくなるよ」と言う。そう言われて周りを見渡すと、採石工場の音は止んで静かだった。「喜怒哀楽がない状態とでも言うのかなあ」と説明してくれた。
今日から黒御影石の部分を彫り始めた。耳栓を外すと、甲高い金属音が辺りに響き渡っていて、自分でもびっくりする。久しぶりに聞く音だ。丁寧に一振りごとに小さな石の山を叩き落として行く。黒と白が綺麗に繋がること、穴のシルエットを美しくすること、柔らかな形を生み出すことを目指している。
午後になると太陽が横から照りつけるので、シートを可動式にした。手動だけど、なかなか上手く作れたと思う♪(K)