2021年3月13日土曜日

千里の道の到達点

 遂に千里の道を歩き切った。山の向こうに沈む夕陽に感謝しよう。悪いことも善いことにたわめられ使われるというのは、本当だった。

今朝、6時半にケイタイが鳴った。手伝ってくれる天使からだった。「それぞれの車に乗って、一緒にトラックを借りに行こう。そうすれば俺のダットラでも石を運べるから」

アトリエの解体はすっかり終わって、土地もだいぶ元の傾斜地に削り終わって更地に戻したところに御影石の彫刻がいくつも並んでいる。それを製材所のフォークリフトを動員して、一気に今日中に運び切ろうと言う算段なのだ。

水道工事をやっている会社に7時半に到着。小型ながら3tも積める頑丈なトラックが2台も並んでいた。出て来た社長は布袋様のような福顔でにこやかに笑っていた。この人が天使の仲間なのか、、、とそっと見つめた。後で聞けば、お礼は要らないと言うのを天使が説得して「俺が借りるんじゃないんだから受け取ってくれ」と頼んだそうな。天使のネットワークは見えない糸で繋がっている。

うちの庭はぶかぶかだ。なるべく隅っこに原石のでかいのを置きたいと思うのだが、フォークリフトで奥に突っ込むと、石の重みでタイヤが10cm以上も沈んでしまう。そうなると脱出が難しい。当て木を高く積んで、空回りしない程度に吹かして難を逃れること数回。無事にぜんぶこの庭に収容した。明日は雨。明後日から造園に着手する!

⇩ガハクの油絵100号『白い旗』の空の部分だ。宙を舞う不吉な布は消えて夕焼けの光が金色だ。暗い日々の終わりはこうやって訪れる。(K)



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