花が鳥のように手のひらにとまった。小鳥に向けられる目は、言葉のないシンプルな通信。
今朝ガハクは、ジョウビタキに語りかけた。茂みの中からじっと見ているのが分かったから、「おいで!おいで!一緒に行こう」と呼びかけながら走ったら、しばらく飛びながら着いて来たそうだ。まるで山道で偶然出会った人懐っこい犬みたいじゃないか。
緑の森の乙女の左手に、赤い小鳥か、赤い花か、どっちにも見える生命体が天から降りて来た。それをふっと受け止めた瞬間を見せてもらった。夜中のこんな時間に森の精霊に会えるなんて、なんと素敵なことだろう。(K)