2021年2月7日日曜日

絵が生まれる瞬間

彼は命の湧き出る場所を見つけたようだ。一気に潜って行くぞ。真っ直ぐ 光の差す方へ。

ガハクは元気がいい。大きな大理石の立像を今日は二つも運んだのに、夜になって大きなキャンバスに向かっている。この白を何と見るかだ。凄烈な水、強烈な光、人を無にするエネルギーの照射。

ぼんやりとした曖昧さに包まれた若者には、輪郭がない。成熟しなかった年寄りは、醜悪だ。変わろうとしなければ変わりっこない。ずっとこのままで良いなんて人は、いるだろうか?

この人が丸裸で何も持っていないのに美しいのは、目的に叶った形をしているからだ。裏も表もないものは安心して見ていられる。眺めていると、スーッとする。そういうスフィアは自分では作れないものなんだ。(K)



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