解体作業が始まってからもガハクは毎朝山に出かけている。精霊に会う為だそうだ。
小鳥たちの声が騒がしい梢の下を通りながら、
「きっと僕に警戒しているんだな」と思って過ぎた。突然ピタッと鳴き声が止んで辺りがシーンとなる。そのタイミングがおかしい、、、地形のせいかな?と、ガハクはもう一度同じ道を戻って試した。
「お〜い 君たち」
「何 言ってるんだい」
「ちょっと ちょっと」
小鳥たちが騒ぐのも、突然静かになるのも、ガハクとはぜんぜん関係なかったことが判明。精霊たちは何を考え何を想って生きているんだろう。
『ガジュマル』の木に夏の太陽が照りつけている。この梢の下にガハクの親友が描かれている。彼もまた、永遠の光の中でキャンバスに向かって立っているはずだ。(K)