ついに『バードウォッチャー』を運び入れることができた。
庭の工房はコンクリートの床だから、手順さえ間違わなければ安全だ。確実に吊り上げる方法も考案した。長梯子を2階の手すりに固定して、チェーンブロックで吊り上げたら、予想通りにバッチリ決まった。こういう知恵はその時になると浮かぶものだ。ガハクとのチームワークも今日は最高だった。
想えば一年前の今日、空に浮かぶ雲に向かって話しかけていたんだった。「トワン!パパはとてもゆっくりだけど、良くなっているってよ」と。今、こんな風にガハクに手伝ってもらえるなんて、夢のまた夢、感謝しかない。
『バードウォッチャー』はガハクがモデルだ。あの頃、胸に双眼鏡をぶら下げて、毎日山に入っていた。珍しい小鳥の姿を見つけては、家に帰って図鑑を開き、その名を特定する。
でも、ガハクが見つけたのは小鳥だけじゃない。白い人に遭遇したのもこの頃だ。(K)