2021年2月2日火曜日

初発刀(しょはっとう)

 ちょうど一年前の今日、ガハクは息が苦しくなって夜明け前にトイレの前の廊下で立ち上がれなくなったのだった。あの緊迫した日から、ジリジリと回復して来た。奇跡のような日々を思い出しながら、今日を迎えた。

「どうも僕は別の僕になったようだ」と話し始めたガハク。「あの時僕は死んで、僕がいなくなっても続いている世界が別なところにあるんだ。生き返った僕はここで違う僕を生きている」と言う。そういう異次元で進行していく世界が他にもあることを生死を彷徨っている間に何処かで知覚したようだ。死というものはないというのがガハクの結論で、「死んだら死にきりと思っているのは、間違いだと思う」と言っている。

初めて、居合をしているところを動画に撮ってみた。この一年で鍛えた体と心は目に現れている。衒いがなく静かな視線だ。敵を睨みつけるのではなく、山を眺めているようなのが理想。(K)



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