トワンの彼女が、やっと笑った。ここが気に入ってくれたようだ。
目をくっきりさせた。上瞼の裏側をもっと彫り込んでやろう。きっと魅力的になるぞ。どう彫っても良くなるしかない。どん底を知ってしまったら、あとは好きにやるしかないんだ。
去年の今頃は毎晩一人で過ごしていたけれど、ガハクが日に日に回復するのを楽しみにして気を張って過ごしていた。病院というところはベッドごと引っ越す。回復して来ると、中央部からだんだん遠くの部屋に移って行くんだ。
ガハクが退院した3月には、私のアトリエも解体出来るだろう。ガハクはすっかり生まれ変わった。私もその後を追う。(K)