山の湧水は、すっかり凍っている。庭の蛇口からは久しぶりに水が出たけど、彫刻のアトリエの水はまだ出ない。ポリタン2本に水を汲んで車で出かけた。
今日からいよいよアトリエ本体の取り壊しに取り掛かった。まずは、軒下に積み上げてあるバンコ(石の下に当てがう木材)の選別から始めた。軽くて丈夫なのがいい。短いのから長いのまで、これから石を運び出すのに必要な本数だけを広場の隅にまとめてシートで包んだ。残りは全部薪にする。相当な量になった。
丸鋸を両手で抱え、足で木材の片方を押さえ、次々と切って行く。耳栓とイヤーウォーマーを嵌めれば快適だ。谷間に響き渡る丸鋸の音。煙突から立ち昇る煙が紫色になったら、薪を焼べに部屋に入る。
夕暮れの5時半に作業終了。薄い紅茶を入れて柚子ジャムサンドイッチを食べてから、トワンの唇を彫った。(K)