2020年11月26日木曜日

変わらぬ天使

この人だけは描き変えられずにずっとそのままだ。
こんなにくっきりと余計なものを何も纏わず、曖昧なものを全て排除した姿で描かれているのに、生き物のグロテスクさがない。猥褻じゃない。白く塗ると陶磁器のように冷たくなるのに、この人には尖ったところがなくてあたたかい。
こんなに大きいのにだれも気にしていないようだ。見えていないんだな。見えなけりゃ無いものとするのが大方の人のやり方だ。突然ぶつかったら、さぞびっくりするだろうな。僥倖だと思えないだろうな。この人の眼差しの届く所には、歌がある。(K)


 

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