アトリエの壁に貼ってあるお天気表には、この10ヶ月の天気と出来事がメモされている。5月17日の欄に、「ガハク片膝座りから立てた!」と記入してあるのが目に入った。退院してから2ヶ月でやっと居合の型を(ゆっくりではあるけれど)やれるようになったのだ。
あれから5ヶ月経った今は、もっと素早く動けるようになっている。ガハクの胸がずいぶん厚くなって来た。朝起きると、いつも肩の辺りが筋肉痛でギシギシと強張っているくらいだもの。それでも、毎日ハードな練習を面白そうにやっている。楽しくなきゃ続くはずがない。
石の方も胸の辺りの陰影をいじって、じわじわと形を動かしている。同時に今日は、小さな天使の翼をくっきりと浮き上がらせた。天使はどんどん小さくなっていく。石は彫れば彫るほどきっちりと強くなり、大きさも出て来るんだ。(K)