朝食を食べながら、しげしげとガハクの顔を見つめていたら、皺の中にえくぼがあるのに気が付いた。若かった頃は無かったように思う。痩せていたからかな?
ガハクの体重は61kgになった。私より10kgも重い。身長は13cm高いから、ちょうどいい感じだ。長い間ずっと数kgの差しかなかったのが、今は見るからにしっかりしている。
今日は弁当を作った。大根の葉っぱを刻んで炒めて胡麻と鰹節入れたのをふりかけたご飯、そして卵焼きだ。私はアトリエに持って出かけた。ガハクは家で弁当を食べて、さらに3時にラーメンを作って食べたそうな。
石の顔にもえくぼを彫ってみたら、まわりに影響が出て、瞼や口元や鼻梁もいじる羽目になった。表情が変わると、視線が動く。それに合わせて、瞳孔の暗がりをもっと深くしなくちゃならない。細いヤスリの先で少しずつほじっている。
顔に皺を彫ることも怖れなくなった。老いたガハクの顔に浮かんだえくぼのおかげだ。(K)