2020年10月3日土曜日

観天望気

 空を読むことを観天望気という。
空は三つの層に分かれていて、絹雲、高層雲、積雲と、そこに流れて来る雲や湧き立つ雲の色も形も速度もはっきり違う。それはまるで天界の階層のようだ。

キャンバスの上の方を鳥がいっぱい飛んでいて、「カラスだろうか?」と聞いたら、ガハクは笑っているばかりで答えてくれない。シルエットだから何とでも言えるし、見る方の勝手でいいんだろう。この木にもこれから小鳥が留まるはずだ。

地上に無造作に佇んでいる人たちは、映画『ノスタルジア』(タルコフスキー)のようじゃないか。あの人たちは皆んなこっちを向いて、何を見ているのだろう?映画もそうだけど、Mの家族だってそうだ。人は執着している情念から解放された時、風景を直接目に焼き付ける。(K)



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