2020年6月19日金曜日

諦念の向こう側

前から見たシルエットの美しさが、背面の美しさと同一になるまで、何度も行ったり来たりしながらあちこち彫っている。僅かな量の変化が全体に影響する。輪郭が動くのが彫刻だ。諦めないと出来ない作業。未来を想像していたら、とてもこんなことやっていられないだろうなと思いながら、霧雨の山をときどき眺めては、砥石で擦ったり、ハンマーとノミに持ち替えたりして午後を過ごしていた。

美とは、時間を忘れた瞬間の経験を言うんだな。(K)


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