今朝ガハクは、私の靴を修理してくれた。剥がれた面にゴム用接着剤を擦り込んで、少し乾いてから、押さえ込んで叩くんだ。サンダルなんかも上手に直してくれる。
ガハクは子供の頃、靴の修理のお使いに行かされたそうだ。浜松駅前の路上には、いつも10人くらいの靴磨きが並んでいて、どの人に頼んだらいいか父親から聞かされていたし、その顔もしっかり覚えていたのでまっすぐ進んで「この靴直して」と手渡したと。寡黙な職人の手元を見ているのが面白くて、接着剤を2度塗りするのもその時覚えたことなのだそうだ。「上手でね、金槌でトントン叩いて、最後に綺麗に磨きあげるんだよ」見て聞いて決して忘れず。
『骨董屋』の中に出て来るあの倹しく優しい人たちを書いたディケンズ自身も、12歳で靴墨工場に働きに出たと、ついさっき知った。
アトリエの畑でネットを張り直してしていたら、散歩のおじさんが破れを繕うのを手伝ってくれた。そこに隣のお爺さんが出て来て、「ガハクさんご病気だそうですね、大丈夫ですか?」と声をかけられた。はい、コロナじゃなかったけれど、死にそうなところから奇跡的に生還して、今リハビリ中でやっと散歩が出来るようになりましたと答えた。驟雨が去ってひんやりした陽だまりが気持ちよかった。(K)
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