2020年2月27日木曜日

おっぱいパン

今日もいつものように11階でエレベーターを降り、ナースセンターで面会申し込みを書き込み、窓を開けて用紙を渡そうとしたら、「あ、今日から面会は出来ないんですよ。お電話したのですけど、お留守だったので連絡出来なかったのです」 コロナウィルス対策の措置だそうだ。
周りを見渡すと確かに誰もいない。静まり返っている、、、
ところが、廊下の奥のガラス窓の前に車椅子のガハクが見えた!

おーい!ひろみさ〜ん と叫んだら、ガハクはすぐに気が付いてこっちを振り向き両手を高く上げて振っている。距離にして30メートルくらいか。
何か欲しいものある?と叫ぶと、聞き取れない声で何か言っている。近くにいた看護師さんが笑いながら教えてくれた。「愛が欲しいそうです」と。
いつものガハクだ。両手で投げキッスをして返した。

でもガハクは元気そうだった。「酸素が外せたよ!」と 嬉しそうに手を振る。これで全てのチューブが体から取り除かれたわけだ。食事二日目もぜんぶ残さず食べているとのことだし、トイレもオムツを汚すこともなく自分で排泄できているという。リハビリも今日は廊下をずいぶん歩き回ったらしい。ガハク倍速で回復している。

廊下の隅に公衆電話があるのを思い出して、小銭と千円札を一枚、ガハクに渡してくれるように看護師に頼んだ。私のケイタイの番号のメモも一緒に。

ガハクが入院してからは私がパンを焼いている。昨夜は病院からの帰りが遅くなったので、適当に焼いたら、2本目はおっぱいパンになってしまった。(うちでは二つの山が並んだ形のパンをそう呼んでいる)ガハクが帰って来たら食べてもらおう、おっぱいパンを♪(K)




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