2019年10月13日日曜日

台風一過

色の見えない人達に色の見えるメガネをかけさせた瞬間の動画を見た。思わず手で口を押さえて周囲を見つめ動かなくなってしまったり、驚きのあまり叫び出したり、ものも言わずに友人を抱きしめたり…彼らの感動が伝わってくるようで目頭が熱くなった。
でも本当は彼らに質問してみたいのだ、
色のない世界と一口で言うがそれは僕らがモノクロ写真を見た時と全く同じ感覚なのか?
それならば彼らがそのメガネをかけて色の世界を見た後以前のモノクロ写真を見たらその違いは?
メガネをかけない以前と同じなのか?それとも違うのか?
そういうこと全体が一人一人で違うという事はないのか?…etc.
一方、色を見ることができるという僕らだってその感覚においては大まかに似通っているだけで実際には多分一人一人違っている。細かい音まで聞き取れる人とそうでない人がいるように、色彩感覚にも能力差と個人差があるのは間違いない。そして画家は自己の色彩感覚で絵を描くが、一人一人違うはずの色彩感覚に評価の正当性ってどこまであるのだろうか?
セザンヌとジャコメッティの色彩感覚の違いを僕らは正確に測った上でその作品全体を評価し得ているのだろうか?
色の世界の混沌に目が眩んで仕事ができなくなりそうだからもう止そう今日はちょっといい顔が描けた。(画)


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